令和3年度継続研修会での質問と応答の記録

 本年度は、参加者の皆さんからの質問と応答を参加者の皆さんと共有し、より臨床動作法についての知識と体験を深めていきたいと考えております。応答を見て、更に質問を重ねていただいて結構です。

 このページのコンテンツは関西臨床動作学研究会会員と継続研修会参加者を対象としておりますので、ご配慮ください。

第2回 6月19日(土) 質問と応答

① 一人動作法は、時間や回数など、どのあたりを目安にされているのでしょうか。

⇒ご自身一人でされる場合は、一課題を3~5分を1~3セットぐらいから始め、身体の状態や気持ちで時間や回数は変わってくると考えております。動作セッションは、1セッションのセラピーの場合、10~40分程度ですので、疲れが過度に残らないように目安を持たれてはいかがでしょうか。

② Hさんが、いろんな動作法を体験されて、両方体験されたから、気づいたこと感じられたことがあったら、教えていただきたいです。

⇒7月の研修会の折に時間を設けて皆さんにお伝えできるように設定します。

③ 一人動作法と一対一の動作法があるということですが、オンラインでも臨床動作法を実施されることはあるのでしょうか。今日の実習をやってみて、相手の様子を見て声かけをするということは、オンラインでは限定される部分があるのかなと思いました。

⇒オンライン動作法としてセラピーに正式に用いられるように今まさに始まっているところです。電話相談で落ち着いて現実に向かえるようにと課題を提示し、援助し、その電話中に冷静に現実を見直すことが出来たことがあります。その際、こちらが得られるのは、声の質や息づかいなど限定されているのですが、そこから得られるものから見立て、仮説形成し、課題提示、動作援助、を組み立てていくことが大切だと考えています。出来ることに焦点を当ててクライエントに有効な手立てで援助することが大切ですね。

④ リハビリテーション学会について、インターネットで調べてみたところ、リハビリテイション心理学会とリハビリテーション医学会というのがありました。リハビリテーション学会が見つけられなかったのですが、私の探し方がうまくないのかなと思います、教えていただけると幸いです。お尋ねした理由は、理学療法や作業療法との棲み分けなどあるのでしょうか。リハビリテーションと聞くと、素人的発想ですが、理学療法や作業療法が思い浮かびました。

⇒講義でお示ししましたのは「日本心理リハビリテイション学会」と「日本心理リハビリテイションの会」です。ご確認ください。また、動作訓練と理学療法に関しては、指導要領の改訂(1971年)で、機能訓練から養護・訓練への移行は、肢体不自由教育において大きな転換点で1973(昭和48)年には雑誌『肢体不自由教育』において、養護・訓練のあり方について整肢療護園長(当時)で整形外科医の小池文英(1913-1983)と、九州大学教育学部教授の成瀬悟策(1924-2019)が議論を行ったいわゆる「成瀬・小池論争」がありました。

⑤ そこで質問としては、Thがclに対して客観的判断をする為にどのような所までを見立てれば良しとするのか。例えば、ベテランと新人が同じ介入の動きは、難しいようにベテランの人は、どんな所を注目しているのか?上達へのコツのような物が有れば、姿勢ならclの構えがどうなれば良いのか?動作課題中は、どこを注目しているのか?など

⇒観察と「見立て」について、第7回の講義で準備をしております。

どのようなところまで見立てればよしとするかにとらわれることなく、クライアントの様々な変化(具体的には、表情や課題部位の緊張と弛緩など、気のつく限りの情報)、それが、どのように動作に関係していると捉えるかについて、研修や実践の中で体験を深めてもらうことが大切だと考えています。課題動作による緊張や弛緩の状態、それに伴う緊張や弛緩などに注目することが大切です。

⑥ 「身体運動」には「動き」だけでなく「緊張」も含むというご説明でしたが、「随伴緊張」は、「努力」から生じるので「身体運動」だと理解しますが「慢性緊張」は「努力」の前から存在すると思いますが、これも「身体運動」に含まれるのでしょうか?

⇒大前提としての「臨床動作法でいう動作とは目に見えるからだの動きそのものではなく、からだを動かそうとするときの動作努力の全プロセスを指す。」という鶴先生のお考えから含まれると考えるのが妥当かと思われますが、晩年、成瀬先生が、身体運動ということばではなく、動きや緊張ということばを使われていたことを理解することが出来ます。慢性緊張は、不適切と思われる努力の結果の状態でもあり、「努力の前から存在すると思います」のその努力とは違う努力が意図する,、しないにかかわらずなされたため不当緊張が続き、慢性緊張となったと考えています。

 

第1回 5月15日(土) 質問と応答

① 本日の講習のレジュメは配布されないのでしょうか

 →受講アンケート送信完了者へ添付返信して資料送付しています。

② 「心理療法として用いる場合・・・動作療法」とあります。心理療法として用いない場合でも、心理課程に焦点をあてて、心理療法的アプローチによるところが共通(底通)と理解して良いでしょうか?"

 →質問の意図を要確認(6月会場で回答)

③ "実技の肩開きを見て感じたのですが課題に対して不適切な動きをした場合その都度指摘するのがいいのか、一回課題を終えてから伝えて2回目に行くのが良いのか課題に対して構えが変化した時の適切な関わり方を教えてほしいです。"

→後からでは、「いま、ここで」の実感とは異なりますので、その時に伝えたいですね。しかしながら、ご自身が「違う」と指摘され続ければ、意欲もなくなりませんか? そこで、出来ているところを「そう、そう」と声かけしていきます。不適切な努力があった場合は、「出来ていません.」と伝えるのではなく、「こうしてみましょうか?」など提案するような声かけであれば、努力を続けられるのではないでしょうか。

④ 肩開き課題で、ずっと同じように掌を体に付け、ずっと保持して支持するのが難しいのですが、支援者の握力や、肘、手首の返しのほか何等か注意する点があれば教えてください。

 → 手を添える援助は援助者が無理のない姿勢で行わないと「保持するのが難しい」と感じられるかも知れませんね。この部分を研修で培って行けるようお手伝いさせていただきます。援助者側の姿勢をどのように作っていくかというところ、援助が被援助者にどのように届いているかをモニタリングしながら適切な援助に修正していくことを注意していきたいですね。